言語や民族が異なる28の巨大な連合体「EU」(欧州連合)。GDP全体では米国をしのぐ世界最大の経済圏でありながら、経済は低空飛行を続けている。ギリシャ問題は当面の危機をしのいだものの、独・英・仏のリーダー3国もそれぞれの国内事情を抱えている。ましてやギリシャ、スペイン、イタリア、ポルトガルといった南欧諸国との格差は、EU協調にどのような影響を及ぼすのか。
また、経済だけでなく15年1月に起こった、フランスの週刊新聞「シャルリー・エブド」へのテロ事件も記憶に新しい。宗教や民族間の共存は可能なのか。逆に混迷を深めるのか。
本誌では現地ルポを交え、欧州の今を読み解く。
・経済優等生のドイツですら、国民の20.3%が貧困状態。
・フランス企業の競争力を阻害し、若者の4人に1人が職に就けない現実の背景とは。
・英国の政治家・知識人の主張と国民感情との間に大きな隔たり
・フィンランド/ノキアの経営失速の衝撃をきっかけに始まった世界最大級のベンチャーイベントとは
本誌は『週刊東洋経済』2015年3月7日号掲載の46ページ分を電子化したものです。