あらすじ私たちの心臓は、一日に10万回、生涯ではおよそ30億回もの拍動を繰り返している。活性酸素という猛毒にも曝されながら、なぜ心臓は過労死しないのだろうか? 従来、その理由とされてきた定説には、じつは見過ごされていた大問題があった。その謎が解けなければ、「心臓が死なない理由」は説明できないのである。忘れられていたミステリーに挑んだ著者が遭遇した、身震いするような事実。それは30億年の進化の過程で細胞に埋め込まれた、絶妙のシステムの存在を物語っていた。「心筋梗塞マウス」の実験で見いだされた、心臓治療の戦略をも変えうるその力とは? 世界に先駆けて心臓のNNCCS機能を発見した著者による、初の一般向け解説書。(ブルーバックス・2015年8月刊)