あらすじ天保の改革で幕府最後の改革に挑んだ老中・水野忠邦。歌舞伎三座の移転から庶民の娯楽・寄席の撤廃まで風俗取締で断行しようとしたが、町人の実情を理解し、抵抗したのが町奉行・遠山金四郎だった。仮設店舗や屋台店など「床見世」の撤去や、江戸に流入した人口を農村へ強制的に返そうとした「人返しの法」に、江戸の内情を考慮して反対したのも遠山だった。名奉行の見識と行政手腕を、江戸町奉行所の史料から実証した名著。(講談社学術文庫)