「ノマド・ワーカー」などの言葉が流行する昨今、充実したコンピュータ接続を通じて、好きな場所で好きな時間に働くバーチャル・ワーカーは、世界で13億人に達するという専門家の見方も出て来ている。この流れは1980年代以降、大きな3つの波によって進化してきたと筆者らは指摘する。フリーランス共同体、社員のリモート・ワーク、そして仮想的なプラットフォームで仕事場を共有するコワーカーとしての働き方である。こうした時代に、働く側の意識、雇用主の果たすべき義務はどのように変わるのだろうか。バーチャル化によって失われるものは何か。昨今では、顔を合わせ刺激を与え合いコラボレーションするというリアルのメリットと、働き方を自由にするバーチャルのメリットの双方を取り入れる新たな試みも始まっている。