◆狭苦しいアパートメントの部屋で、ブリアンナは怒りに震えていた。目の前にはとびきり魅力的な砂漠の国の要人、アーメドが鎮座して、先ほどから彼女に矢継ぎ早の命令を飛ばしている。「キャビアとボルドーを頼む」「ベッドが硬い」「FAXが必要だ」アーメドはテロリストグループに命を狙われているのだという。彼の身の安全を守るためには、絶対にありえない隠れ家──つまりブリアンナの自宅が最適だと上司に説得され、さらに入院中の彼女の弟の医療費もすべて肩代わりすると言われれば、受け入れるよりほかなかったのだ。でも、これ以上は絶対に無理よ。とくに……私と一緒のベッドを使いたいという要求については。■家族を養うため必死で働くブリアンナは、暗殺者に狙われている砂漠の国の要人アーメドを自宅に匿う羽目に。彼の尊大な振る舞いは止まるところをしらず…。