◆『十年目のプロポーズ』―「トリー、久しぶりだね」突然現れたマーシュを前に、トリーは立ちすくんだ。すべてをかけて愛したマーシュに捨てられたのは十年前。その後生まれた彼の娘を育てながら、これまで必死に生きてきた。彼の目的は何? 混乱したトリーは話も聞かずに逃げ出した。それが仕組まれた再会だとは、知るよしもなく……。
『五百万ドルの花嫁』―“息子ジョナス・ブラボーは、エマ・ヒューイットと一年間の結婚生活を送り、期間満了後、彼女に五百万ドルを支払うこと”恩人の遺書を読んだエマは、あまりのショックに呆然とした。いま目の前に座る、この気難しく尊大な大富豪と結婚ですって?ジョナスは軽蔑のまなざしで彼女を眺めていたが、突然言い放った。「これは、きみが金目当てで企んだことだろう?」