「測定できないものはマネジメントできない」。
これは企業経営最大の命題として多くの成功を阻んできた。
しかしあらゆるデータがデジタルで得られる時代になると、
この言葉は死語になるかもしれない。
勘と経験に頼る経営の是非も、
大量のデータの分析が可能になることで、
もはや議論の余地はなくなるだろう。
かようにビッグデータの衝撃は大きい。
従来の、経験による価値、専門性の優位性、
マネジメント慣行などについての
長年の考え方が揺らぐに違いない。
つまりビッグデータは経営に
革命的な変化をもたらすのである。
この変化に気がつかない経営者は、
みずからの企業を路頭に迷わせることになりかねない。
ビッグデータは、
マネジメント・スタイルを一変させるばかりか、
企業で必要とされるリソースの種類も劇的に変化させる。
新たな経営を取り入れた企業の競争優位は、
想像以上に大きい。
*『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー(2013年2月号)』に
掲載された論文を電子書籍化したものです。