次期CEOの選定は、取締役会が下す最も重要な判断である。
だれをCEOに据えるかは、企業戦略とその遂行、
ひいては事業成果と財務業績を大きく左右する。
すべての企業が、通常のCEO後継プランのみならず、
健康不安や不慮の死など不測の事態への
対処プランも設けておくべきである。
公平で透明性のある後継者選定を実現するには、
取締役全員による積極的な関与が欠かせない。
最終的な成果は、
現任CEOの知恵と取締役会全体の見識を活かして、
十分な情報を基に判断を下すかどうかにかかっている。
私利私欲や目先の損得勘定よりも、
組織の長期的な繁栄や大義を優先させることが、
最も重要な課題である。
本書では、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)が
社内から次世代のリーダーを育成すべく、
実際に数々の有望なCEO候補を輩出してきた
仕組みを紹介するとともに、
リーダー養成の要諦を示す。
*『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー(2012年11月号)』に
掲載された論文を電子書籍化したものです。