イーベイの創業者、ピエール・オミダイアは、
1998年9月の株式公開で莫大な資産を手に入れた。
同社はオミダイアがその3年前に
長期休暇を利用して書き上げた
コンピュータ・コードが基となっている。
苦労して築き上げた会社という感慨もなく、
彼にとってみれば降って湧いたような財産だった。
これを有効によき目的のために使われなければならないと考え、
妻とともに財団を設立した。
当初は行き当たりばったりに、
寄付などを行っていたが、
その後、イーベイがもたらした社会的な影響力をヒントに、
企業やビジネスの力を取り入れて、
社会に継続的な変化をもたらすことはできないかと考えるようになる。
そしてオミダイア・ネットワークという有限責任会社を立ち上げ、
非営利と営利を組み合わせた
新しい形態の社会貢献活動を開始した。
オミダイアは非営利・営利のどちらであっても
「世界をよりよくする」ことは可能であり、
そのためには適切な資本構成と優れたリーダーが必要であると説く。
*『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー(2012年11月号)』に
掲載された論文を電子書籍化したものです。