なぜ、大停滞から抜け出せないのか
世界の経済学者たちは何を議論してきたのか
1930年代の大恐慌から今日に至るまで、経済不況をめぐる論戦は、つねに「ケインズ主義対反ケインズ主義」の図式で争われてきた。21世紀の世界経済危機においても、反ケインズ主義陣営は「不況下の財政引き締め」を主張し、それに対してケインズ主義陣営は「超拡張的な金融政策とマイルドな財政政策のポリシー・ミックス」を主張してきた。日本の「アベノミクス」も後者の陣営に位置づけられる。本書は、大恐慌以来80年の経済論戦を展望し、世界の経済学者たちは何を議論してきたのか、世界経済はどこへ向かうのかを明らかにする。アベノミクスによって注目を集める「リフレ派」。野口旭教授はその代表的な論客の一人であり、本書は、野口教授の知的格闘を集大成した待望の書き下ろしである。