企業変革やイノベーションには、新しいアイデアが不可欠である。
にもかかわらず、そのようなアイデアは、
ほとんどの組織で、最終的につぶされてしまうことが多い。
リーダーシップ研究の権威であるジョン P. コッターによれば、
我々はアイデアを生み出すことばかりに関心が向いており、
アイデアを成就させることには比較的無関心であるという。
これは一種の集団力学といえる。
また彼は、反対派や懐疑派を翻意させ、
アイデアに巻き込んでいくために、
「ライフ・スキル」(日常のさまざまな問題に効果的かつ建設的に対処する能力)や
人間の感情面の重要性を指摘する。
コッターは、ブリティッシュコロンビア大学教授の
ローン A. ホワイトヘッドとの共同研究により、こ
れら反対勢力を巻き込み、
新しいアイデアへの支持を取りつける方法を見出した。
これをまとめたのが最新著 Buy-in である。
本インタビューでは、
アイデアを推進・実現するための基本アプローチ、
反対勢力が常套とする24種類の攻撃パターン、そ
れへの対処法と5つの「べからず」など、
この最新著のエッセンスについて紹介する。
*『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー(2011年2月号)』に
掲載された記事を電子書籍化したものです。