◆待っていてくれると思っていた。あんなに早く結婚してしまうなんて。■なぜ、私を非難できるの? シェイは心の中で叫んだ。かつてアレックスはシェイのすべてだった。初めて結ばれたとき、シェイはまだ十七歳、彼は二十一歳だった。アレックスから、キャリアを求めてアメリカに行くと聞いて、シェイは一人にされる不安でいっぱいになった。「行かないで」「待っていてくれ」かみあわない言葉のやりとり。わかってもらえないつらさ。ふたりとも若く、愛を育てる力も知恵もなかった。ほどなくしてシェイは結婚し、若すぎた恋は終わった。だが運命は、十一年もの歳月ののちに二人を再会させた。シェイは帰郷した彼を懸命に避けようとするが、シェイの結婚のいきさつを知らないアレックスは彼女に……。