あらすじ一筆ずつ塗り重ねられる精緻な絵画のように、あるいは一針ずつ施される絢爛たる詩集のように――一語一語選び抜かれた言葉は、思わぬつながりを持つ次の言葉を連れてきて、夢中でそれらを追ううちに思いもよらない地平に連れ去られていく。時空間も記憶も等質な粒子となって混じり合い、拡散し、迷宮のような読書体験をもたらす、著者初の自選短篇集。