日本においても、日本におけるIFRS採用の動向や、日本の会計基準のIFRSへのコンバージェンスの議論などに関連して、アメリカの会計基準の動きが直接的にまたは間接的に日本の会計基準に影響を与えており、その動向には多くの関心が寄せられている。こうした環境下にあって、アメリカの会計基準の動向を理解することは、今後のIFRSおよび日本の会計基準の動向を見極めるうえでも重要であり、直接アメリカの会計基準を適用している企業の経理・財務担当者はもとより、IFRSの導入準備を進めている企業の関係者や日本基準の将来動向に関心を持つ方々にとっても有益であると思われる。
本書は、2011年6月までに公表されたアメリカの会計基準を対象として取扱っており、本書を執筆するにあたっては、以下の点に重点を置いている。
1.実例を豊富に取り入れ、また、説明をできるだけ平易に行い、職業会計人、企業の経理担当者はもちろんのこと、一般ビジネスマン、学生等にも容易に理解できる内容にした。
2.アメリカの会計基準の主たる項目を網羅的に取入れる一方、各項目の会計処理および開示内容については、そのポイントを短時間で理解できるようにした。
3.適宜、会計基準等の原文を参照しやすいよう、主な会計基準等の関連パラグラフを記載した。
4.実務に役立つように、可能な限り充実した解説を加えた。
5.アメリカの会計基準の説明に加え、適宜、日本の会計基準およびIFRSとの比較を織り込んだ。