環境変化に惑わされ、そのつど戦略を変え、迷走する。
そして業績悪化の負のスパイラルをたどる……。
昨今、「日本企業には戦略がない」と
指摘する声がしばしば聞かれる。
誤った戦略を立てているのか、実行不全なのか、
それとも、本当にそもそも戦略がないのか。
企業再生と成長支援に関わってきた冨山和彦氏は、
戦略を問う前に考えるべきことがあると言う。
シェアを取ろうが、競争相手に勝とうが、
持続的に利益を上げられなければ意味はない。
最も重要なことは、事業の経済構造だというのが氏の指摘だ。
さらには、いかなる戦略も実行されなければ水泡に帰す。
組織の強みとの整合性が取れるかどうか、
戦略を実現できる組織体制をつくれるかどうかが
大きなカギを握ると説く。
*『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー(2013年1月号)』に
掲載された記事を電子書籍化したものです。