◆愛を知らない二人が、夫と妻を演じる。信じられるのは、互いの唇の甘さだけ。◆レイラは母亡き後、横暴な義父に虐げられてきた。狭い部屋に閉じ込められ、食事もろくに与えられない。ビジネスの一環として、多額の金と引き替えに、見ず知らずの男との結婚を決められても、レイラは逆えなかった。結婚すれば、義父から逃げられる。誰とだってかまわない……。強欲で好色な老人を想像していたレイラは、現れた相手を見て驚いた。たくましくセクシーで、危険な雰囲気をたたえた男性。この人が、多国籍企業経営者ジョス・カーモディ――私の夫なの?不覚にも胸がときめいたが、彼はレイラを蔑んだ目で見ている。“金の為なら、誰にでも身を委ねる女なんだろう”とでも言いたげに。■どこかクラシックで王道な世界観が持ち味の若手人気作家A・ウエストによる政略結婚ロマンスをお贈りします。愛を知らないヒロインと、幼少期のトラウマから愛を信じられないヒーロー。夜を重ねるうち、心までひとつになってゆくのですが、それを愛とは知らず……。