◆社交界を賑わす華麗な令嬢が、あのアンだというのか?◆「きみの名は?」名門貴族ジェームズ・オルドハーストに尋ねられ、ベッドに寝かされた娘は必死で答えた。「わたしは、アン……」嵐の夜、ずぶ濡れで行き倒れになっていたところを彼に拾われたが、彼女は名前以外のいっさいの記憶を失っていた。心身ともに弱り果て、不安ばかりが募るなか、なにくれとなく世話をしてくれるジェームズに、アンはいつしか特別な想いを寄せていた。彼は誰もが結婚したいと憧れる魅力的な御曹司。出自の知れない私なんかとかかわったら、彼の名誉に傷がついてしまう!ひそかに身を引く決意を固め、アンは屋敷から姿を消した……。■けなげなヒロインを描かせたら右に出る者のいないS・アンドルーの貴重な新作をお届けします。愛するジェームズのために自ら身を引いたアン。やがてロンドン社交界で再会の時を迎えますが、さらなる衝撃の事態に……。美しい花園で育まれる恋の行方にご注目を。