あらすじ「腹減った、のど渇いた、死にそうだぁ」。「バン!」。男が口で言った銃声に、女はのけぞって言った。「こんな日に死ねて嬉しいぜ、感謝します!!」。列にいた若い男女の会話である。故人に似せた言い回しと原色で着飾ったふたりの悲しみとは程遠いやりとりの方が、ロックンローラーを送る言葉としてはふさわしく思えて、嗚咽混じりの弔辞から目を外し忘れないうちにと走り書きした。