仕事でパリの豪華ホテルを訪れていたパーディータは、
ロビーの大階段で転んで足首を捻挫してしまった。
立ち上がれない彼女に手をさしのべたのは、世界的な実業家レオニド。
彼はパーディータを優しく抱き上げて部屋に運ぶと、
医師に治療させたあと、なにかと世話を焼いてくれた。
なんてすてきな人! もしかしたら彼はわたしのことを……。
幸せを夢見るパーディータの心は舞い上がったが、
レオニドが悪戯な笑みを浮かべて口にした言葉に息をのんだ。
「父親が結婚しろとせっついてうるさいから、
パリ滞在の間だけ僕の恋人のふりをしてくれないか?」