今年に入り、急にメディアに取り上げられることが多くなった「シェールガス」。
これまで人の手の届かなかった地層から、
大量の天然ガスが採掘できるようになったことから、
そのインパクトは「革命」とも称されている。
特に米国では、各地でシェールガスやオイルの埋蔵が確認されており、
新たな金脈を求めて人が群がる“ゴールドラッシュ”の様相を呈している
だが、本当の「革命」は、
そうした表層的なブームに留まらない。
『シェール革命』の本質は、特に米国が天然ガスという強力な武器を手にしたことで、
エネルギーをめぐる世界の地政学の構図が、
あっという間に変わったことにある。
ロシアは日本や中国へのアプローチを強め、
中東諸国も戦略の転換を余儀なくされる。
需要国の中国は自国内資源の開発に邁進し、
そのほか、豪州やアジアの資源国にも様々な影響が出始めている。
こうした世界規模の変化のなかで、
日本はどう世界と渡り合っていくのか。
特に、天然ガスの輸入は、
原発が止まるなかで、値上げが続出する電気料金の問題にも直結している。
シェールガスさえ手に入れば、電気料金も安くなるのか、
他にどういった手立てがあるのか。
本書は、シェールガスの入門書にもなるとともに、
目下世界で日々動いている各国の思惑や戦略、
日本国内の最前線の動きをレポートしている。
*『週刊ダイヤモンド』(2013年4月13日号)の第2特集を電子化したものです。
雑誌のほかのコンテンツは含まれず、特集だけを電子化したため、お求めやすい価格となっています。