イタリアの悪魔との偶然の再会に、ベスは目を大きく見開いた。まだ10代のころ、この無慈悲な弁護士ダンテとかかわったために人生をめちゃくちゃにされたのだ。いま、わたしは本名も捨てて新しい道を歩んでいるというのに、ふたたび彼の憎らしくもハンサムな顔を見ることになるとは。敵のはずなのに、目の前にすると胸の鼓動が速まるのは、なぜ?そんなベスの心を知ってか、ダンテも激しく彼女を求めてきた。その後、過去を忘れるためにもう二度と会わないと決めたベスだったが、2週間が過ぎたころ、いきなり現れたダンテに詰め寄られる――「答えてくれ、妊娠したのか、していないのか?」■おかげさまで、HQロマンスは2900号を迎えることができました。記念作を手がけたのは“愛憎劇の名手”J・バード。かつて傲慢なヒーローに振り回されても、身寄りのないヒロインは誰にも助けを求められませんでした。時をへて巡り合わせたふたりの運命は?