あらすじ時代官能書下ろし最新刊。神田淡路町の小間物屋の次男、三次は兄夫婦が主の店で部屋住みの身。幼い頃から絵が好きで、紅を入れる貝殻に絵を入れたり、紙入れや化粧紙に花柄を描いたり、売り物に絵を添えて、重宝されていた。家中法事で留守のある日、御得意様の旗本の後家・菜穂が訪ねてきた。先頃の不祥事で夫は切腹、家は改易、百両もの借金を頼みに来たのだ。三次は勝手に土蔵の金を菜穂に用立てる。そして、そのかわりに……。(講談社文庫)