あらすじコミュニケーションの利便性を高度に追求した結果、人々は人間性を完全に喪失していた。二〇一二年七月、そのことを憂う口べたな四兄弟が立ちあがった。長兄は、多機能携帯電話を廃棄し、貝がらを耳にあてるよう訴える。そうすることで、人は心を静め、本来は聞き取れぬはずの声と交信することまで可能になり、それにより豊かな人間性を回復することができるというのだが……。ノスタルジィとリリシズムをたたえる福永信の最新作!