【内容紹介・目次・著者略歴】
20世紀初頭にコズロフ探検隊によりハラ=ホトの遺跡で発見された西夏法典(11~13世紀)の全体を把握するために、刑罰法規のについて研究する。
【目次】
序
序章
第一章 西夏法典の出現とその初探
I 発見とその翻訳公刊
II 成立の時
III 内容と初探の試み
第二章 総則
I 正刑と附加刑
1 正刑の復原 2 附加刑 3 総括的私見──遼・金法との近似性
II 十悪
1 謀逆門 2 失孝徳礼門 3 背叛門 4 悪毒門 5 為不道門 6 大不恭門 7 不孝順門 8 不睦門 9 失義門 10 内乱門 11 総括
III 八議他
1 八議門 2 罰情与官品当門 3 親節門 4 老幼重病減罪
第三章 犯姦と違律の婚
I 犯姦
1 奪妻門 2 侵凌妻門 3 威勢蔵妻門 4 行非礼門
II 違律の婚
1 為婚門
III 親族互売
1 節上下対他人等互売門 2 管貧智高門
第四章 私畜
1 盗殺牛酪舵馬門 2 妄劫他人畜駄騎門 3 分持盗畜物門 4 買盗畜人検得門 5 射刺穿食畜門 6 分用共畜物門 7 官畜駄騎・官畜私畜調換の両門
第五章 官牧
1 失われた巻頭三門の標目 2 死畜注鎖門 3 供給駄門 4 畜利限門 5 畜患病門 6 校畜門 7 管職事門 8 牧場官地水井門 9 貧牧逃避無続門
第六章 偸盗
1 盗親門 2 雑盗門 3 群盗門 4 重盗門 5 盗賠償返還門 6 自告償還解罪減半議合門 7 追〓補拳告盗賞門 8 捜盗蹤跡門 9 問盗門 10 盗毀仏神地墓門
第七章 闘殴
1 焼傷殺門(三四七) 2 相傷門(三五六) 3 誤傷殺与闘殴門(三六〇)
第八章 土地法
1 収納租門(三八四) 2 取閑地門(三九一) 3 催租罪功門(三九三) 4 租地門(三九九) 5 納領殻派遣計量小監門(四〇五) 6 亡佚に帰した第十六巻(四一四) 7 分用私地宅門(四一七) 8 草果重訟門(四二一)
第九章 水利法
1 春開渠事門 2 亡佚に帰した二門 3 灌渠門 4 橋道門 5 地水雑罪門
第十章 典当
1 当舗門 2 催索債利門 3 出典工門
第十一章 告・補
1 許挙不許挙門 2 挙虚実門 3 功抵罪門 4 派大小巡検門 5 逃人門 6 遣差人門 7 判罪逃〓門
第十二章 断・獄
1 延誤審訊和辯案門 2 諸司判罪門 3 行獄杖門 4 越司曲断有罪担保門 5 貪状罪法門 6 不奏判断門
第十三章 罪罰不同門
終章
史料と参考文献
島田 正郎
1915~2009年。東洋史学者、法制史学者。東京帝国大学文学部東洋史学科卒業。元明治大学総長。法学博士(明治大学・論文博士)。
著書に、『東洋法史要』『遼代社会史研究』『世界史要』『遼制の研究』『祖州城 東蒙古モンチョックアゴラに存する遼代古城址の考古学的歴史学的発掘調査報告』『遼の社会と文化』『東洋の法の歴史』『世界史』『アジア 歴史と法』『東洋法史』『遼制之研究』『遼史』『遼朝官制の研究』『遼朝史の研究』『清末における近代的法典の編纂』『北方ユーラシア法系の研究』『清朝蒙古例の研究』『明末清初モンゴル法の研究』『清朝蒙古例の実効性の研究 東洋法史論集第7』『契丹国 遊牧の民キタイの王朝』『北方ユーラシア法系通史』『西夏法典初探 東洋法史論集 第8』などがある。