身分違いの花嫁が受け取った、かけがえのない贈り物。
ララはある吹雪の夜、木の下で昏倒している男性を見つけ、家に連れ帰って手厚く介抱した。彼は完全に記憶を失っており、自分の名前すら思いだせなかったが、それでも二人は惹かれ合い、甘く濃密な6週間を過ごしたあと、聖夜に結婚した。だがその直後、突然の見知らぬ訪問者が驚くべき事実を告げる。夫の名はガエターノ。行方不明のモスヴァキア新国王だというのだ。貧しい清掃人の私が王様の花嫁ですって? とんだ笑い物よ。ララは逃げるように姿を消した──妊娠しているとも知らずに。2年後。幼い息子と暮らすララの前に、ガエターノが現れて……。
■『灰かぶりはかりそめの妻』、『麗しき堕天使の一夜妻』に続く、〈ステファノス家の愛の掟〉第3話をお届けします。息子と慎ましく暮らすヒロインの前に2年ぶりに現れたヒーローは、記憶を取り戻してはいたものの、以前とは別人のように冷淡で……。