意外や意外、殺人現場に残された「死人詰」の詰め将棋は、江戸城の大奥にある、将軍・家治公の秘蔵品にかかわりがあった。平賀源内と弟子の高島春作は、深まるなぞを解くため、16年前に将軍の鷹狩りが行われた地に足を運ぶ。確かな手がかりをつかみ、走り出す春作だったが、時すでに恋人・お千代にも犯人の魔手がのび、将軍家を巻きこんだ壮大な陰謀のクライマックスを迎えようとしていた。個性あふれる膨大な登場人物、手に汗握るスピーディな展開に、ユーモアと実際の徳川家の暗部も重ねて描く、時代ミステリー小説の逸品。<上下巻・完結>