小さい頃に聖女候補だったオルレアン伯爵家の貧乏令嬢セレナ。
幸い(?)にも聖女に選ばれることなく、慎ましく生きてきたが、いよいよ資産が尽き……たところに舞い込んできたのが
第三王子ソル・トロワ・クラヴェル殿下との婚約話。
お金のための政略結婚による婚約者とはいえ、美しい顔立ちと優しい性格を持つソルに対する親愛の感情を持ち、仲良くやっていたはずのセレナだったが――
「……今、なんとおっしゃいました?」
「だから、『ざまぁ』してほしいんだ」
「ソル殿下。『ざまぁ』してほしいだけでは、よく意味が分かりません!」
婚約破棄をしたいがために変なことを言い出した王子様だけど、それには深いわけがあるようで――?