【内容紹介・目次・著者略歴】
十世紀以後の中国の正史刑法志すべてについて原文を掲げ、現代日本語に訳し、更に詳細な注を施した基本資料の集大成。本冊は元と明を収める。元史刑法志は一千条を超す法文からなる。とかく元代には漢民族王朝のような整備・系統だった法典は編纂されなかったと思われがちである。しかし元朝八十年の法典編纂の苦悩は、宋代からの同じ悩みを継承し、やがて明初の新しい立法に結実してゆく重要な過程であった。また、明史刑法志は厖大な法制資料をコンパクトにまとめ主な問題点や特徴を要領よく抑えて、明代史の流れの中で刑政概念を掴むのに役立つ。法制や刑罰の、各時代における生きた立体像とともに、時代を超えて存在する「中国的な法」を浮かび上がらせる必読文献。既刊の上冊は五代、宋、遼、金を収録。
【目次より】
はじめに 解題にかえて(下)
譯注 元史刑法志
譯注 明史刑法志
あとがき
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梅原 郁
1934~ 2020年。東洋史学者。京都大学名誉教授。京都大学文学部史学科東洋史学卒業、同大学院文学研究科博士課程単位取得退学。文学博士。専門は、中国史、宋代史。
著書に、『文天祥「中国人物叢書」』『図説 中国の歴史 5 宋王朝と新文化』『宋代官僚制度研究』『中国の群雄8 亡国の皇帝』(共著)『皇帝政治と中国』『宋代司法制度研究』など、
訳書に、沈括『夢渓筆談(全3巻)』孟元老『東京夢華録 宋代の都市と生活』(共訳注)『名公書判清明集』朱熹『宋名臣言行録』班固『漢書食貨・地理・溝洫志』(共訳注)呉自牧『夢粱録 南宋臨安繁盛記(全3巻)』2000『訳注 中国近世刑法志(上下)』などがある。