【内容紹介・目次・著者略歴】
民法論文集6 本論文集第1巻『物権法の研究』(1976年)以後に発表された、変動論に関する論考9篇を収める。
【目次より】
はしがき
第一章 民法一七七条の趣旨
第一節 登記懈怠の効果について
一 明治四一年の二つの大審院判決
二 物権変動範囲問題と第三者範囲問題との関係
三 今日の通説としての第三者範囲制限説
四 各種物権変動における登記懈怠の効果
五 一七七条の射程
第二節 不動産二重譲渡の法的構成 いわゆる「公信力説」について
一 二重譲渡の成立可能性を説明するための公信力説
二 悪意の第三者の保護を否定するための公信力説
三 動的安全保護の強化と公信力説
四 背信的悪意者である二重譲受人の地位
第二章 両立可能な物権相互間の対抗の問題
一 問題の所在
二 各種の物権者相互間の関係
三 不動産の賃貸人と賃借人との関係
第三章 復帰的物権変動と対抗問題
第一節 解除の場合
一 取消との比較から見た解除
二 解除の効果についての法的構成
三 第三者の地位
四 解除の効果についての対抗の問題
第二節 取消の場合
一 取消の場合の復帰的物権変動自体
二 被強迫者と第三者との関係
三 強迫以外の理由による取消の場合の取消権者と第三者との関係
第三節 無効の場合
一 無効の場合の復帰的物権変動一般について
二 錯誤を理由とする場合について
三 虚偽表示を理由とする場合について
四 強行法規違反または公序良俗違反を理由とする場合について
五 意思能力欠如を理由とする場合について
六 無権代理を理由とする場合について
第四節 復帰的物権変動一般について
第四章 物権変動における対抗要件についての若干の問題
第一節 不動産原譲渡人に対する転得者の登記請求
第二節 権利の二重譲渡と対抗要件の同時成立について
一 金銭債権の二重譲渡の場合
二 特定物の譲受けを目的とする債権の二重譲渡の場合
三 物の利用を目的とする債権の二重譲渡の場合
四 用益物権をめぐる二重譲渡的な問題
五 物権と債権との境界領域をめぐる対抗要件の問題
第五章 附 川島先生の物権法論
一 序
二 総論 川島物権法の峻別の論理
三 各論 川島先生の物権変動論
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鈴木 禄弥
1923~ 2006年。法学者。東北大学名誉教授、東海大学客員名誉教授。東京大学法学部法律学科卒業。法学博士(東京大学)。専門は民法。法学博士(東京大学、1961年)
著書に、『民法総則講義』、『物権法講義』、『債権法講義』、『親族法講義』、『相続法講義』などがある。