【内容紹介・目次・著者略歴】
キリスト教に関わる事柄を初学者のために論述した、西洋中世思想を代表する必読文献。トマスは罪と悔悛の行為を、神の恩寵を視野に入れた超自然的秩序の中で理解しており、それはアリストテレスの自然的な倫理学の射程を完全に超え出るものであった。本巻では悔悛の秘跡における恩寵の働きと人間の自由意思との問題、悔悛の秘跡と悔悛の徳との関係、悔悛の秘跡は救いのために必要か、神の恩寵はどのように罪の赦しという結果を生じるのか、等が論じられる。
神学者トマスの最後の仕事となった悔悛神学を収める。第III部第84問題~第90問題。最終巻!
【目次より】
まえがき
第八十四問題 悔悛の秘跡について
第一項 悔悛は秘跡であるか ~ 第十項 悔悛の秘跡は反復されるべきか
第八十五問題 徳としての悔悛
第一項 悔悛は徳であるか ~ 第六項 悔悛は諸々の徳のうち第一であるか
第八十六問題 悔悛の結果について 大罪の赦しに関して
第一項 悔悛によってすべての罪が除去されるか ~ 第六項 罪過の赦しは徳であるかぎりでの悔悛の結果であるか
第八十七問題 小罪の赦しについて
第一項 小罪は悔悛なしに赦されることが可能か~ 第四項 小罪は大罪の赦しなしに赦されることが可能か
第八十八問題 悔悛によって赦された罪の戻りについて
第一項 赦された罪はその後の罪のゆえに戻ってくるか ~ 第四項 それのゆえに、後で犯される罪が先に赦された罪を戻らしめるところの忘恩は、特別な罪であるか
第八十九問題 悔悛による徳の回復について
第一項 徳は悔悛によって回復されるか ~ 第六項 死せる行為さえも後続の悔悛によって生命あるものとなるか
第九十問題 悔悛の諸部分について 総論
第一項 悔悛には諸々の部分があると見なすべきか ~ 第四項 悔悛が洗礼前の悔悛、大罪の悔悛、小罪の悔悛に区分されるのは適切であるか
訳者注
解説 トマスの「悔悛」神学
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トマス・アクィナス
1225頃~1274。スコラ学の代表的神学者。ドミニコ会士。アルベルトゥス・マグヌスに師事し、パリのドミニコ会神学校の学長を歴任した間に『神学大全』を完成した。