【内容紹介・目次・著者略歴】
13世紀、聖書解釈や神学者の注解を体系的に集大成した全45巻の中世キリスト教神学の金字塔。第III部第79問題~第83問題を収録。
キリスト教に関わる事柄を初学者のために論述した、西洋中世思想を代表する必読文献。本巻では、秘跡の結果および秘跡の現実的な行使・執行をめぐる様々の問題(例えば、聖別されたホスチアをねずみが齧った時はどうすべきかなど)が論じられる。トマスの聖体神学は、超自然的神秘に対しても日常生活で起こる出来事に対しても、驚くべき一貫性をもって考察が進められる。なお、犠牲としてのミサという問題を考察するにあたり取り上げる三つの異論には、16世紀の宗教改革者たちの議論が基本的にすべて含まれている。
【目次より】
まえがき
第七十九問題 聖体の秘跡の結果について
第八項 小罪によってこの秘跡の結果は妨げられるか
第八十問題 この秘跡の行使もしくは拝受について
第八十一問題 キリストが最初に自らそれを制定するにあたって行われたこの秘跡の授受
第八十二問題 この秘跡の奉仕者について
第八十三問題 この秘跡の祭儀について
訳者注
解説 トマスの聖体神学(続)
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トマス・アクィナス
1225頃~1274。スコラ学の代表的神学者。ドミニコ会士。アルベルトゥス・マグヌスに師事し、パリのドミニコ会神学校の学長を歴任した間に『神学大全』を完成した。