【内容紹介・目次・著者略歴】
13世紀、聖書解釈や神学者の注解を体系的に集大成した全45巻の中世キリスト教神学の金字塔。第III部 第73問題~第78問題を収録。
キリスト教に関わる事柄を、初学者のために「学習の順序」に従い論述した、西洋中世思想を代表する必読文献。感覚では明らかなパンとぶどう酒の「外観」と、信仰により肯定されるキリストのからだと血の「存在」とはどのように関係づけられるべきか。トマスはこの聖体の秘跡におけるキリストの現存の仕方、キリストのパンとぶどう酒への全実体変化は超自然的であり、アリストテレス哲学の射程を完全に超え出ていることを前提に論を進める。徴しとしての秘跡の三重構造を基に聖体が秘跡であることを説得的に説明する。
【目次より】
まえがき
目次
第七十三問題 聖体の秘跡について
第七十四問題 この秘跡の質料について
第七十五問題 キリストのからだと血へのパンとぶどう酒の変化について
第七十六問題 この秘跡におけるキリストの在り方について
第七十七問題 この秘跡のうちに存続する諸付帯有について
第七十八問題 この秘跡の形相について
訳者注
解説 トマスの聖体神学
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トマス・アクィナス
1225頃~1274。スコラ学の代表的神学者。ドミニコ会士。アルベルトゥス・マグヌスに師事し、パリのドミニコ会神学校の学長を歴任した間に『神学大全』を完成した。