【内容紹介・目次・著者略歴】
13世紀、聖書解釈や神学者の注解を体系的に集大成した全45巻からなる中世キリスト教神学の金字塔。第III部 第66問題~第72問題を収録。
キリスト教に関わる事柄を初学者のために「学習の順序」に従い論述された、西洋中世思想を代表する必読文献。前冊に続き秘跡論を収める。トマスは古代教父以来の伝統に従い洗礼を「信仰の秘跡」と呼ぶが、それはいかなる意味においてか。本冊では、洗礼を主要的かつ内的に授けるのはキリスト自身であり、人間はその「道具」としてのみキリストの力によって洗礼を授ける、というトマスの洗礼論が示される。教会史を通し激しい論争の的であった、幼児洗礼と人間の自由意志との問題に対する中世の考え方がここに伺える。
【目次より】
まえがき
第六十六問題 洗礼の秘跡について
第六十七問題 洗礼の秘跡を授ける奉仕者たちについて
第六十八問題 洗礼を受ける者について
第六十九問題 洗礼の結果について
第七十問題 割礼について
第七十一問題 教理教授と悪魔払いについて
第七十二問題 堅信の秘跡について
訳者注
解説 キリスト・教会・洗礼 トマスの洗礼論
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トマス・アクィナス
1225頃~1274。スコラ学の代表的神学者。ドミニコ会士。アルベルトゥス・マグヌスに師事し、パリのドミニコ会神学校の学長を歴任した間に『神学大全』を完成した。