【内容紹介・目次・著者略歴】
キリスト教に関わる事柄を初学者のために「学習の順序」に従って論述、第1部神論、第2部人間論、第3部キリスト論よりなる。第II部-2 第171問題~第182問題は、「預言」および「活動的生活と観想的生活」について考察される。近代の知性観は実践的知性のみを認め、観想的知性の可能性を排除している。ところがトマスにおける観想は、アリストテレスの観想(テオリア)観と根本的に異なるものであり、未完成で「途上にある者」という人間理解に基づいて、観想が人間に自然本性的に適合していることを示す。
【目次より】
まえがき
第百七十一問題 預言について
第一項 預言は認識に属するか ~ 第六項 預言的に認識あるいは告知される事柄は偽でありうるか
第百七十二問題 預言の原因について
第一項 預言は自然的なものでありうるか ~ 第六項 悪霊たちの預言者は時として真なることを告げるか
第百七十三問題 預言的認識の様態について
第一項 預言者たちは・・を見るのであるか ~ 第四項 預言者は・・認識しているか
第百七十四問題 預言の区分について
第一項 預言が・・へと区分されるのは適切であるか ~ 第六項 預言の諸段階は時の経過に応じて変化するか
第百七十五問題 脱魂について
第一項 人間の霊魂は・・脱魂するのか ~ 第六項 パウロは彼の霊魂が身体から・・知らなかったのか
第百七十六問題 異言の恩寵について
第一項 異言の賜物を得た人々は、すべての言語をもって語ったのか
第二項 異言の賜物は預言の恩寵よりもよりすぐれたものであるか
第百七十七問題 語りに存する無償の恩寵について
第一項 或る無償の恩寵は語りに存するか
第二項 知恵と知識の語りの恩寵は、女性たちにも属するか
第百七十八問題 奇跡の恩寵につして
第一項 奇跡を行うこと・・無償の恩寵があるか
第二項 悪人は奇跡を行うことができるか
第百七十九問題 活動的生活と観想的生活への生活の区分について
第一項 生活を活動的と観想的・・区分するのは適切か
第二項 活動的と観想的・・区分は十分に為されているか
第百八十問題 観想的生活について
第一項 観想的生活は・・全体が知性においてあるか ~ 第八項 観想的生活は持続的であるか
第百八十一問題 活動的生活について
第一項 倫理徳のすべての行為が活動的生活に属するか ~ 第四項 活動的生活は現在の生の後も存続するか
第百八十二問題 活動的生活と観想的生活の比較について
第一項 活動的生活は観想的生活よりもより優れているか ~ 第四項 活動的生活は観想的生活に先立つか
訳者注
解説
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トマス・アクィナス
1225頃~1274。スコラ学の代表的神学者。ドミニコ会士。アルベルトゥス・マグヌスに師事し、パリのドミニコ会神学校の学長を歴任した間に『神学大全』を完成した。