【内容紹介・目次・著者略歴】
あらゆる意味で対照的な大坂と江戸の取引法を前期と後期に分けて考察した四論文を中心とする江戸時代の取引法史の研究。
【目次より】
序
第一 目安糺、相対済令および仲間事 近世債権法と民事訴訟法の接点
序
一 目安糺 二 無取上 三 相対済令 四 仲間事
第二 家質の研究
第三 江戸の町会所における家質金貸付
第四 江戸時代前期 大坂の取引法史
一 金銀出入 二 取上無き出入 三 一〇年越出入 四 売掛銀滞出入 五 年賦銀出入 六 請人証人出入
七 連判出入 八 利銀出入 九 座頭官 一〇 証文譲、借名前銀子出入 一一 家賃銀出入と借家明出入 一二 貸物出入など
第五 江戸時代後期 大坂の取引法史
一 金銀出入 二 売掛銀滞出入 三 受人、証人の加判差別と受人へ掛る出入 四 連判借出入 五 利銀出入
六 同家人、下人、親掛り之者并女房への金銀出入 七 親類縁者並主従金銀出入、合力出入 八 譲証文並仮名前証文出入
九 借屋明願、家賃銀出入 一〇 貸物および損料出入 一一 同職同商得意妨 一二 奉公人出入
一三 借地面取計 一四 地頭借出入など
第六 江戸時代前期 江戸の取引法史
一 借金銀と預金銀 二 仲ヶ間金 三 利息と高利 四 預ヶ金 五 先住借金 六 家質 七 店立と店賃地代
八 町屋敷の売買 九 普請請負金と大工作料 一〇 証人
第七 江戸時代後期 江戸の取引法史
第一章 大坂取引法と江戸取引法
第二章 江戸の取引法史
(1) 総説
一 相対済令 二 出訴最低額 三 高利
(2) 各説
一 借金銀 二 書入金 三 預金 四 証文譲(譲金) 五 年賦金 六 武士と金銀出入 附、堂上方家来と貸金 七 祠堂金(名目金)
八 官金 九 先納金 一〇 領主地頭借(郷印証文) 一一 地頭裏判借金 一二 売掛金 一三 家賃、地代金および店立地立
一四 損料借品の質入 一五 普請金など
第八 近世取引法史小考
一 「両替屋と餘商売人取引之事」 二 初期の相対済令 三 近世の請人と証人 四 起請文附の私法証文
附録
第一 江戸時代前期 庶民家族法雑考
一 婚姻 二 離別 三 養子縁組 四 後見 五 扶養義務 六 遺言 七 相続跡式
第二 書評 小早川欣吾著、日本担保法史序説
あとがき
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石井 良助
1907-1993年。東京帝国大学法学部法律学科卒業。東京大学教授を務めたのち、東京大学名誉教授。専門は日本法制史。
著書に、『中世武家不動産訴訟法の研究』『日本法制史概説』『日本不動産占有論』『天皇 天皇統治の史的解明』『日本史概説』『大化改新と鎌倉幕府の成立』『江戸の刑罰』『江戸の離婚 三行り半と縁切寺』『吉原 江戸の遊廓の実態』『江戸町方の制度』『略説日本国家史』『日本婚姻法史』『日本団体法史』『近世関東の被差別部落』『民法典の編纂』『日本相続法史』『近世取引法史』『天皇』『近世民事訴訟法史 正続』『日本刑事法史』など多数ある。