芥川賞作家から官能小説作家へと進んだ大ベテランが描く、色香溢れると評判のあたし小説ーーあたし、深川で芸者をしていたんですが、今の旦那に見染められてお妾ぐらし。でも五十男の小商人の旦那、商売に頭を使いすぎるせいか、あっちの方が強くないんです。それで、あたしはいつも、女ざかりのからだをもてあましているんです……。旦那がくるので、入れ混み湯にいったんです。そこで幼な友達の源さんに会ったんです。源さんのものすごくりっぱなんで、あたし……。湯上りに旦那と二人でウナギを食べにいったんです。そこへ花蝶院さまという高貴な女性がいらっしゃって、ウナギが花蝶院さまのあの部分にもぐりこんで大騒ぎ……。<上下巻>