あらすじ一休禅師が真の悟りを追い求める人間ドラマ。酒・女・狂歌を愛した一休の痛快修行物語。あくまで庶民の味方として活躍する風狂の生きざまを描く遺作長編ーー下克上の世にあって一寺に安住することなく、一休宗純は、愛弟子の天知・雲知を従え修行の旅に出る。道に迷う人々には教え諭し、一揆騒動に出会っては難民に味方して救い、野盗山賊とは命がけで戦う。やがて、実践ひとすじの禅生活のさなか、老母の死を看とる。時に一休禅師、50歳だった。著者晩年、円熟の筆が綴る川口版一休さん物語。<上下巻>