愛ゆえの結婚だと信じていたのに──涙を隠して、花嫁は姿を消した。
アレッサンドラは仕事先で偶然出会った世にも美しい男性、イタリア富豪ヴィンチェンツォと恋に落ち、すぐに求婚された。めくるめく情熱の夜に続く、二人きりの結婚式。すべては完璧に思えたが、思いがけず彼の真の姿を知ってしまう。私は愛されてなどいない。財産を狙われ、弄ばれただけ……。耐えきれずに逃げだしたアレッサンドラは数週間後、急死した母が残した幼い異父弟を目の前に呆然としていた。この子を引き取り、家族になりたい。でもそれには夫が必要だ。悩んだ末、彼女はヴィンチェンツォの元へ戻り、懇願するが……。
■起伏に富んだ物語を紡ぎ、いつも楽しませてくれるタラ・パミー。今作でも、夫婦となった二人の葛藤を情感豊かに描いています。既刊の『紳士が野獣に変わる時』、『大富豪と砂糖菓子の花嫁』でもおなじみ、ブルネッティ家の面々も登場します!