天下四国――それは、天から授かりし四つの国。
西の国、燕では、始祖王灰歌から代々女王が国を治めてきた。燕王はあらゆる祭事を司る神女でもあった。そのため、燕はもっとも天に近い国といわれる。
徐国の元王太子で、今やすっかり風来坊の飛牙は、天令の那兪を連れ、代々女王が治める燕国へ。そこで偶然お忍び外出中の名跡姫・甜湘と知り合った飛牙は、いきなり「胤」候補にされてしまう。胤は未来の女王たる甜湘に、子を産ませるための制度上の夫のこと。しかも飛牙の前にいたという胤ふたりは、すでに怪死を遂げているらしく……。胸躍るシリーズ第2弾!……。