【書籍説明】
沖田総司は幼少の頃から天然理心流四代目宗家近藤勇に師事し、天賦の剣才を開花させた。
近藤が幕府の新徴浪士組に参加すると、内弟子の土方歳三・井上源三郎や食客の山南敬助・永倉新八・原田左之助・斎藤一・藤堂平助とともに近藤に従って上洛した。
京で、近藤は浪士組と別れて、京都守護職預の新選組を結成し、王城の警護と治安維持に努めるようになった。
総司は自分の剣才を世の中の役に立てようと、阿修羅となって生きる覚悟を決めた。
修羅の日々の中で、総司は幻の鷺娘のような少女花香里と恋をする。
しかし、花香里に生まれつきの心臓疾患があることを知り、修羅の地獄に巻き込むことを恐れて、総司は花香里と別れる決意をした。
花香里は総司を恋い慕い、総司との別離を受け入れられず病状を悪化させる。
花香里の両親は近藤と土方に頼み、花香里と総司の恋仲を認めさせる。
時代は急速に動きつつあった。
参謀として入隊した伊東甲子太郎は、新選組を乗っ取って倒幕軍団に変えるため、土方と総司の暗殺を企てる。
偶然、花香里は伊東らの陰謀を立ち聞きし、総司に報せようとして伊東に斬られる。
総司は伊東への復讐を誓うが、知らぬ間に労咳(肺結核)に侵されていた。
【目次】
新参の隊士
君の心は汲みにくい
吹くや恋風
苦悩の春
山南脱走
雪の宿
士道を貫く
廻る月日
恨みの白鷺
鷺娘祝言
新選組分裂
獅子身中の虫
破邪の刃
風薫る
… 以上まえがきより抜粋