【書籍説明】
新選組一番隊組長の沖田総司は天才剣士だった。
九歳の時に天然理心流近藤道場試衛館の内弟子となり、十五歳で免許皆伝、師範の資格を得た。
十七歳の時に初めて人を斬り、剣客の宿命を痛感した。
二十歳の春、師匠の近藤勇が幕府の浪士募集に応じて上洛を決意すると、内弟子の土方歳三や井上源三郎、食客の山南敬助や永倉新八らとともについて行った。
京で、近藤勇は新選組を結成して王城鎮護の役目に就いた。
総司は新選組幹部隊士として、毎日のように人を斬った。
修羅の日々の中で、総司は一人の少女と出会った。
少女は法眼の位を持つ漢方医
仁科道伯の娘花香里、十七歳。
総司と花香里は親しく口を利くようになったが、総司は自分が新選組隊士であることを言えなかった。
しかし、池田屋斬込みの後、花香里と一緒にいるところを倒幕浪士に襲われ、「新選組の鬼沖田」と知られてしまう。
花香里は先天性の心臓病で、強い衝撃を与えることはできない。
総司は花香里との淡い恋を諦めようとする。
【目次】
花の吹雪
試衛館入門
道場破り
修羅の道
生死の覚悟
都の春
壬生狼
紅葉の橋
雪の幻
医者の娘
恋の手習
池田屋斬込み
修羅の太鼓
はかなき恋路
… 以上まえがきより抜粋