講談社児童文学新人賞受賞作家による最新幼年童話。
「けんかしていても、友だちなの?」
「友だちだから、けんかをするんだろ?きらいだったら友だちにならないよ。れいなはひなこがきらいなのかよ。」……本文より。
お友だちと絶交中でちょっと不機嫌な小学二年のれいなちゃんは近くに住む三年のゆうだいくんと高校生のお姉さんのみさちゃんからクリスマス用のジンジャークッキーづくりに誘われます。みさちゃんにクッキーのつくりかたをおそわりながら、こねたタネから女の子の形を抜いていると、クッキーの女の子と、抜けたタネの女の子の形の穴がしゃべりだし、けんかを始めます。実はゆうだいくんも親友のたくまくんとけんかをしていて、ゆうだいくんがクッキーの男の子を抜いていると、やはりクッキー達がけんかをしだしました。今も昔も永遠にかわらない、女の子同士、男の子同士のけんかの理由とそれぞれの仲直りをしたくなる気持ちをユーモアあふれるストーリーで描きます。
巻末には世界中のクリスマススイーツの紹介やジンジャークッキーのレシピもついて、家族やお友だちみんなで楽しめる一冊です。
すべての場面に山田詩子氏のかわいい挿絵入り。