◆冷徹なシークの口づけは、泣きたくなるほど優しかった。◆生き別れた弟が無実の罪を着せられて逮捕されたと知り、アマリアは13年ぶりに母国カリージュの壮麗な宮殿を訪れた。執務室に迷いこんだ彼女は、玉座のような椅子に座る男性の琥珀色の瞳に射すくめられた。若き国王シーク・ゼイン――その威厳に満ちた貴族的な美貌と尊大な言葉に圧倒されながら、アマリアはこれがゼインの花嫁選びの面接であることに気づく。事情を話して窮状を訴え、弟のためなら国王を脅迫することも辞さないという彼女に対し、ゼインは不快感もあらわに命じた。「君に選択肢はない。期間限定で王妃の役を務めてもらおう」■それぞれに個性的でゴージャスなプレイボーイ富豪たちの魅力に思わずため息が出てしまう、〈四富豪の華麗なる醜聞〉の第3話をお届けします! 妃を娶る必要に迫られたシークと、窮地に陥った無垢な乙女の熱く切ないシンデレラストーリーをご堪能ください。