◆乙女の窮地を救う騎士のごとく現れた彼。その姿は偽り、それとも真実……?◆まもなく結婚式が始まるというのに、花嫁姿のミーナは泣いていた。花婿は、かっとなるとすぐに暴力を振るう卑劣な男だが、借金を返すためには、彼と結婚する必要があるのだ。するとそこへ、見覚えのあるハンサムな男性が訪ねてきた。ネイト・ブランズウィック──ホテル客室係のミーナが担当する、スイートルームに泊まる大富豪だった。彼はミーナの話を聞くと、驚くべき提案をした。「僕と結婚すればいい。決めるのは君だ」ミーナはネイトを信じて簡素な式を挙げ、彼の屋敷へ逃げ延びた。数カ月後、妊娠した彼女は夫の本心を知り、深く傷つくことに……。■作家競作8部作〈ディ・シオーネの宝石たち〉第7話は、ディ・シオーネのきょうだいたちとは母親違いのネイトと、貧しいホテル客室係ミーナとの甘く切ないロマンスです。最終話もお楽しみに!