◆無垢な乙女が知ったのは、屈辱よりもつらい愛。◆その日、ガズビヤ王国では国王のハーレムに女性を集めていた。ハリス王国の王女ナディアは踊り子として宮殿に忍びこみ、寝室でザイード王が現れるのを待っていた。彼女には、どうしても国王にかなえてほしい願いがあった。ガズビヤと長年敵対しているハリスを攻めないでほしい。そのために、ナディアは家族に黙って国を飛び出した。無慈悲な権力者がどうすれば喜ぶかなら、よく知っている。自分が差し出せる唯一のもの――純潔を捧げるのだ。たとえ、ハーレムで愛の奴隷にされるとしても……。■コロンビア大学出身の現代の貴公子たちの恋愛事情を、新人作家が華麗に描く4部作の最終話です。王家の次男に生まれ自由気ままに生きてきたザイードに、突然もたらされた王冠。とまどう彼の元に身分を隠した敵国の美しい王女が現れますが……?