【完全未公開! 本田美奈子.ミニ写真集付き!】
近世以前の日本の歌謡には、もちろん西洋音楽の音階は使われていません。
明治政府が欧化政策の一環として西洋音楽を学校教育に導入した1880年代から
日本の大衆歌謡(ポップ・ミュージック=ポップス)の歴史は始まります。
明治・大正・昭和へ、歌は唱歌、童謡、流行歌、歌謡曲へ変遷し、
この潮流に洋楽ポップス、ジャズ、ロック、フォークソング、
ニューミュージックが流れ込んで平成のJ Popとなります。
日本初のレコードによるヒット曲は、
1914(大正3)年に発売された「カチューシャの唄」(松井須磨子)でした。
100年前のことです。
蓄音器の普及とともに流行歌が増え、
レコード産業が成長しました。
一方、「カチューシャの唄」は劇中歌として誕生しますが、
初演の舞台となった帝国劇場では1950年代から
ミュージカルが上演されていきます。
2005年に永眠した歌手、本田美奈子.さんは、
20年間の歌手人生で、
ミュージカルを含むポピュラー音楽の歴史的なジャンルをすべて歌い、
最後はクラシカル・クロスオーバーへ挑んでいた稀有な存在でした。
2003-04年のコンサートでは、
これらすべてのジャンルの歌を、
それぞれ別の歌唱法で歌う離れ業を何度も演じています。
本書は、この天才的な歌手、本田美奈子.さんの音楽家人生を軸に、
日本の100年間のポピュラー音楽史をたどるものです。
ただし、100年を時系列で追ってはいません。
過去・現在・未来を往復しながら叙述していきます。
第1巻では、本田美奈子.さんが岩谷時子さんらと出会い、
ミュージカル女優として初舞台を踏んで再生した
「ミス・サイゴン」(東宝)を中心に、
1990年代のミュージカルとポップスを描きます。