◆きみは霧氷のように美しい――その言葉を愛と信じていいの?◆アミリアは聖アンセル病院の手術室専属看護師長。やりがいのある仕事だとは思うけれど、27歳という年齢を考えたら、そろそろ女性としての幸せも欲しかった。だが婚約者のトムは昇進のことしか頭になく、まだ結婚に乗り気でない。ある日、アミリアは釣り好きの父とトムと3人でノルウェーを旅するが、トムは相変わらず結婚には触れず、父娘を残して先に帰国してしまった。そんなとき旅先で出会ったオランダ人ギデオンと行動を共にするうち、初めこそ失礼な人と反感を抱いたものの、しだいに惹かれていく。そして、彼女と婚約者の仲が進展していないことを知ると、ギデオンは驚くべきことを言い放った。「いっそ僕と結婚すれば?」■やさしく穏やかな作風で読む者の心を癒やしてくれる、唯一無二の名作家B・ニールズ。選集第5弾となる本作は、1984年初版のリバイバル作品です。煮え切らない若きトムと、魅惑的な褒め言葉をかけてくる大人のギデオンに挟まれ、アミリアの心は千々に乱れます。