さっと読めるミニ書籍です(文章量20,000文字以上 24,000文字未満(20分で読めるシリーズ))
【書籍説明】
国際学習到達度調査の読解力テストで、わが国は2003年14位、2006年15位と低迷し、「ゆとり教育」の見直し、
全国学力テストの実施など読解力向上の打開策を講じたが、2018年に、再び15位に転落した。
この原因は、長文読解に不慣れなことと、暗記中心の勉強法にある。
暗記方式に走るのは、思考を面倒なので嫌悪し、回避する傾向が強いからだ。
思考を忌避すると、思考可能範囲がきわめて狭く、頭の中でまとめ、順序だてるのが不得手になる。
だからこそ、論理的思考力を要する長文読解が苦手にもなる。
英文読解で暗記方式を打破するには、中学と高校の英語教員が、教科書の他に、
副教材として省略構文、重文、複文またはそれらを含む長文を何度も読み返させ、何を言っているのか読み取るよう指導することだ。
前後関係や文脈を繰り返し読んで、意味・内容をできるだけ深く正確に理解しようとさせることだ。
この方式が習慣化すれば、論理的思考力の働きが促進され、範囲も広がる。
授業では、復習よりも予習を重視させるべきである。
復習に力点をおくと、解答がすでにわかっているので、それを暗記するだけで終わってしまうからだ。
初めて読む内容を理解しようと、辞書を引きながら、文章を繰り返し読む努力をしてから授業に臨む方が、思考上大きな進歩をもたらすと助言すべきである。
【目次】
第1章 背景
第2章 数学、日本語の学力不足
第3章 英語の学力不足
第4章 暗記方式の弊害と論理的思考力の欠如
第5章 思考範囲の拡大と論理的思考力の涵養
第6章 予習と繰り返し読む習慣
【著者紹介】
加奈田帰心(カナダキシン)
国立大学、公立大学、私立大学に40年以上勤務