さっと読めるミニ書籍です(文章量14,000文字以上 15,000文字未満(20分で読めるシリーズ))
【書籍説明】
幕末開港によって西欧の機械大工業の安価な綿糸布が輸入されたため、在来の綿織物業界は壊滅的打撃を被ったとされてきた。
ところが、実はそうでもなくて、生金巾(きかなきん)に代表される輸入綿布は、薄手のためシャツや下着にしか使えないので、
農民や労働者は従来どおり厚手の国産綿布を愛好したため、全体としては輸入綿布の圧力は小さかった、と最近では考えられている。
イメージとしては、狭い国内品綿布の市場を輸入品が奪い取るイメージではなく、むしろ国内市場そのものが拡大して、外圧のショックを吸収したというイメージである。
そのひとつの例として、桐生や足利における絹綿交織による絹綿繻子(けんめんしゅす)があげられる。
これは輸入綿糸をよこ糸に、絹糸をたて糸に用いて価格を引き下げたものである。
今回はその桐生で有名な書上(かきあげ)商店の例から見ることにしよう。
本書は幕末維新期において、貿易品の販売に関わった先達たちを深く探ることによって、先達たちからのメッセージを汲み取ろうとするものである。
今回はシリーズの最後として、日本各地の有力問屋からのメッセージを見る。
【目次】
第1章 書上文左衛門
第2章 書上文左衛門からのメッセージ
第3章 稲西合名
第4章 稲西合名のメッセージ
第5章 山口玄洞
第6章 山口玄洞のパワーメッセージ
第7章 木村半兵衛
第8章 木村半兵衛のパワーメッセージ
第9章 内貴甚三郎
第10章 内貴甚三郎のパワーメッセージ
【著者紹介】
姉崎慶三郎(アネザキケイザブロウ)
千葉市在住。
元商社勤務。
海外駐在員歴2回。
長年の海外ビジネス経験を生かして、当時合格率8・4%で、日本全国で400名もいない超難関貿易資格「ジェトロ認定貿易アドバイザー」を取得。
自身の40年に渡る貿易実務経験と、ふれあった多くの先輩や国内外の取引先企業の方たちから学んだことを貿易のプロをめざす人に伝えるため執筆を続けている。
ペンネームは英語教師だった祖父の名前。