さっと読めるミニ書籍です(文章量15,000文字以上 20,000文字未満(20分で読めるシリーズ)=紙の書籍の30ページ程度)
【書籍説明】
千葉市に加曾利貝塚(かそりかいづか)という世界でも最大規模の貝塚がある。
貝塚はなぜできたのか。
後藤和民は巨大貝塚ができた理由を「干し貝説」で説明しようとした。
加曾利は干し貝の生産工場だったというのだ。
干し貝と交換するものは黒曜石だった。
後藤は、千葉には硬い石がなくて「石なしの国」だったのだので、「海なしの国」信州の黒曜石と交換したという説を唱えた。
黒曜石は肉をさばく鋭利な調理用品であり、やじりという武器にもなり、身につける装身具であり、霊的な何かが宿る「魔法の石」であった。
千葉の加曾利貝塚から100キロ以上離れた信州の奥地や伊豆の離島から、黒曜石は誰によってどのようにしてもたらされたのか。
貿易専門家の視点から先史時代の交易ネットワークを探る。
調べるうちに、不思議なことに気づく。
貿易の歴史という題名の書籍がないのである。
歴史の教科書では、日宋貿易、日明貿易、南蛮貿易、朱印船貿易などの名前が並ぶのに、貿易の通史を書いた書物がないのである。
これは一体どういうことなのだろうか。
なぜ貿易の歴史という題名の本がないのか。
【目次】
1.加曾利貝塚はなぜ築かれたのか?
2.神津島に黒曜石工場はあったか?
3.北海道の黒曜石流通ネットワーク
4.アイヌ人の沈黙交易
5.加曾利貝塚が築かれたわけ
【著者紹介】
… 以上まえがきより抜粋